コーヒー2つの発見伝説
コーヒーが飲み物として世に広まる以前は食用として噛んで味わったり煮たりと様々な形で食され、
そのうちに煮汁を飲むようになったと考えられています。
初めて飲まれたのはいつで、どこなのかは謎ですが、数多くあるコーヒー伝説の中で2大伝説といわれるものがあります。それはエチオピア起源説とイエメン起源説の2つコーヒー伝説です。
前者がキリスト教国での発見伝説で、後者がイスラム教国での発見伝説です。
前者のエチオピア起源説ですがこれはレバノンの言語学者ファウスト・ナイロニの「眠りを知らない修道院」(1671)に記されているものです。
6世紀頃、エチオピア高原のヤギ飼いカルディは、放し飼いにしていたヤギたちが昼夜の別なくひどく興奮し続けているのを発見し、調べてみると丘の自生しているコーヒーの赤い実を食べたことが原因だと考えました。
この実の効果をカルディは修道僧に伝え、試しに食べてみると眠気がさめ気分が爽快になることがわかりました。
それから修道僧達は徹夜の宗教行事や祈祷の時に睡魔に苦しむこともなくなったといわれています。
もう1つは、イスラム教徒アブダル・カディの「コーヒー由来書」(1587)に記されているもので、舞台は13世紀頃のイエメン山中です。
イスラム教僧のオマールは、王女に恋心を抱いたという無実の罪で追放されてしまいました。山の中をさまよい歩いていると鳥が赤い実を食べて興奮しているのを見て、オマールもそれに見習い赤い実を食べてみると疲れがうそのように消え去って元気が回復しました。
その後医者でもあったイスラム教僧のオマールはこの実を持ち帰り、たくさんの病人を救いました。
そして罪を許され、イスラム教僧のオマールはコーヒーを発見した聖者として崇められたといいます。
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