コーヒーは熱いうちに飲まないといけない?
本の読み方を考える
「コーヒーの礼儀、野村さんは知ってますか?」
先日スタッフからそんな質問を受けました。
礼儀というからには国々の土着的なコーヒーの飲まれ方のことを言っているのかと思いきや、
そういうことではなく、一般的(?)に、それも共通する(?)礼儀があると言うこと…
よくよく話を聞いてみると、
ある本にこう書かれていたらしいんです。
1、まずはお水の飲むこと
2、コーヒーは熱いうちに飲むこと
などなど
それが、コーヒーの礼儀であると。
中国人スタッフからの質問なので、言葉の選び方の問題はあるとしても、気になったのは2の部分。
「コーヒーは熱いうちに飲むこと…」
この文章に関しては、本の書き手の背景を考えないと間違いの可能性が出てきます。
(最初スタッフはそれが正しい!と言い張っていた・・・汗)
本などに書いてあることは、ある意味で正しく、ある意味で正しくない場合があります。
さまざまな本があり、さまざまな表現がある中でも、
中身の内容的には同じことを言っているものが多いも事実です。
ほとんどの本はタイトルが変わっていたり、
問題についての見方の角度が少し変えてあったりするだけのこと。
大切なことは、正しいとか正しくないということを論じるのではなくて、
なぜそれがその表現(ここで言えば「コーヒーは熱いうちに飲むこと」)になってしまったのかを考えることです。
正しいか正しくないかというのは、
その人がどの立場で物事を見ているかによって答えは180度変わってくるものですから。
さて、では考えてみましょう。
なぜ「コーヒーを熱いうちに飲まなければならない」との表現になってしまったのか?
その答えを見つけるためには、
コーヒーが一般的には「冷めるとコーヒーはおいしくない」と言われていることも同じく知る必要があります。
コーヒーが冷める、、
つまり、時間が経過してくるとおいしくなくなる原因は、生豆の質が悪かった、焙煎が悪かった、
あとは、コーヒーの抽出(作り方、淹れ方)が悪かったことが考えられます。
生豆の質が悪かった、焙煎が悪かった問題にに関しては、
ここでの問題とはなれてしまうため違う場所でお話するとして、
ここではいい珈琲豆(生豆の品質もよく、焙煎もうまい珈琲豆)を使ってコーヒー作ったとしましょう。
それでも、コーヒーが冷めるとおいしくなくなる原因があるのはなぜか?
何がそんなに味に影響を及ぼすのか?
コーヒーの作り方というのも、いろいろなものがあります。
そのほとんどのものはコーヒーの濁り成分が出てきてしまうもので、
この濁り成分というものが、コーヒーが冷める(時間が経過してくる)とおいしくないと感じてしまうひとつの原因です。
なぜこの濁りの成分が出てきてしまうのかということは、コーヒー粉の撹拌が原因です。
飲み比べしてもらえば誰でもわかることなのですが、
なにぶん文章では伝わりきらないのが悲しいところです。。
ブログで香りや味の違いを伝えられないのが残念でなりません。
濁りの成分を出すか出さないか、、、
それは『お湯を注ぐときに珈琲粉を動かすか動かさないか』ということに関係しています。
できるだけ珈琲粉を動かさないようにして、濁りの成分を出さないようにコーヒーを作る方法では、
松屋式ドリップという作り方があります。
【松屋式ドリップ抽出の手順】おいしいコーヒーを入れよう!
この松屋式ドリップの理論を使って作ったときには、
冷めたり、時間が経過しても、そんなに味の劣化はおこらないのです。(うまくできればの話。。)
松屋式ドリップと、よくある3つ穴式(台形で3つの穴があいてるもの)で
基本的な作り方をして比べてみると驚くほど違うことがわかります。 (文章だけではわからないでしょうが…)
3つ穴式の基本的な抽出方法では、どうしても粉を動かしながらコーヒーを作ることになりますので、
つまり、濁りの成分がどうしても出てしまうことになります。濁りの成分が出てしまうということは、
時間の経過とともに、味が変化してしまいやすくなってしまうということになるのです。
はい、文章だとほんとややこしいんですが、
つまり、、コーヒーの作り方によっては、
味が変化しやすい作り方と、味が変化しにくい作り方があり、
「冷めたコーヒーはおいしくない」と世間では言われてはいるものの、
冷めても(時間が経っても)十分においしいコーヒーを作ることもできるということです。
(お客さんによっては、冷めたほうがおいしくなると言う人もいるぐらい…)
そして、このようなコーヒーの作り方と言っても、
味に随分違いがあることを知らなければ、どこかで聞いたような偏った情報に流されてしまいます。
そうなってしまうと、もしかしたらこんな図式が成り立ってしまうのかもしれません。
「冷めたコーヒーはおいしくない」=「コーヒーは熱いうちに飲まなければならない」
こんな図式が頭にある人が、本を書いてしまえば、
上記のようなん表現になってしまうのは仕方のないことです。
(著者のお店では3つ穴式ドリッパーを使った抽出方法だったことからも、可能性が高い…)
専門書などが、なぜその表現方法になってしまうのかは、
その著者がどんな立場で論じているかによります。
それを理解した上で本などを読んでいかなくては、
ただ目の前にある情報に流されることになってしまいます。
今回のことは、うちのスタッフがコーヒーのプロとしてお客さんに説明するときに、
何が足りないのかを物語っていました。
物事の本質を理解しなければ、教えられたことだけ、どこかに書かれていただけ、、、
つまり、受け売りの知識を安易に論じてしまう(それもプロという立場で。。)
表面的なものだけになってしまう問題が含まれていることだと思いました。
人に教えていくこと、伝えていくことは簡単ではありませんね。
だからこそ、しっかり考えた上で、伝えていくことが必要なのでしょう。
焙煎作業の流れ・作業風景の写真
コーヒー豆の焙煎(ロースト)とは?
松屋式ドリップに挑戦しよう!
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