なぜ上海のコーヒーはまずいのか?



「あなたのところは、どれだけ安くできるの?」

「ランチに出すコーヒーはおまけみたいなものなので、安ければいい」


某飲食店や某ホテルの料理長に言われた言葉で、私は愕然としてしまいました。


現在、上海の市場としてもっとも重要なのは、コーヒーの味ではなく、価格なのです。
それは料理にこだわりを持っているような有名店でも同じでした。




経営者の私とすれば、この言葉は理解できます。
やはり商売ですから、どの店も、1円でも安くと考えるのは仕方のないことなのかもしれません。
安くで仕入れて、高く売る、、商売をされているのならどれだけ利幅が大きく取れるかを考えるでしょう。


ただこれは、少々プロ意識に欠けているとも思うのです。
「ランチに出すコーヒーだから」という理由は努力不足の言い訳でしかないような気がします。
「少しでもおいしく」という努力が、後回しにされているような感じを受けてしまいます。




「料理はそこそこおいしいけれど、最後に出されたコーヒーが不味かった・・・」



このような飲食店が、ここ上海にはどれほどあるのでしょうか?
ほとんどのお店が、最後に出すコーヒーは「安ければいい」という選択をしています。

サービス(無料)として出しているからいいのでしょうか?
誰からも文句を言われないからいいのでしょうか?


別に、極上のコーヒーでなければいけないと思っているわけではなくて、
ランチや少し頑張ったディナーの後には、それなりに美味しいものを求めているので、
もう少しましなコーヒーを出してほしいと思うんです。

料理にこだわりを持っているのなら、なぜ最後に出すコーヒーにもう少し気を使わないのでしょうか。
せっかくの素晴らしい料理も、最後が悪ければそのレベルで終わってしまい、せっかくの料理も台無しです。


喉が乾いたからと言って、コーヒーをガブガブ飲むような方は少ないでしょう。
喉を潤すだけなら、きっと他の飲み物を選ぶ方が多いと思います。

本来コーヒーは、喉を潤すためだけには適していないのかもしれません。




ではなぜ、コーヒーを飲むのか?



嗜好品であるコーヒーがもたらしてくれるもの、、

それは、喉を潤す以上に、心を満たしてくれるものだと思います。
安さだけを追い求めたコーヒーに、心を豊かにしてくれる気持ちが注がれることはありません。


缶コーヒーを飲むときと、珈琲専門店で飲むコーヒーとでは、飲む側の気持ちとしても全く違います。

気持ちを数字で表せば、5の期待値の時に10のコーヒーが出てこれば満足できるでしょう。
でも逆に、10の期待値の時に5のコーヒーが出てきたら満足はできません。

同じ「コーヒー」という言葉を使っていても、含まれる意味合いは全く違います。



どちらが良くて、どちらが悪いということではありませんが、
こだわりの料理で期待を持たせるのなら、その期待を裏切らないレベルのコーヒーは最低限出してほしいと願います。


プロなら、最後のディテールまでをきちんと演出してほしい。





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